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不妊治療

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女性不妊症

なかなか妊娠しない場合、その原因としては子宮や卵管の異常、排卵やホルモン分泌などの卵巣機能の異常、精子の異常など様々なものが考えられます。
不妊の原因を診断しなければ、適切な治療は行えません。従って、不妊の原因を細かく検査し、治療の方針を立てます。不妊の検査は行う時期が大切です。基礎体温を表に記入し、実施時期を間違えないように下記の注意をよくお読みになって外来を受診してください。

不妊検査

検査項目 受ける時期、備考など
血液検査1
(血算、生化,血糖,クラミジア)
初診時
月経血培養検査
血液検査2
(性腺刺激ホルモン,プロラクチン)
(感染症)
月経中(量の多いとき)
月経周期3日目頃
頚管粘液検査
超音波による卵胞径計測
血液検査3(甲状腺機能,E2)
基礎体温上昇の2~3日前
基礎体温上昇の2~3日前
排卵予測時期(卵胞経最大の日)
性交後試験(フーナーテスト) 頚管粘液検査により実施日を決めて予約
血液検査4
(CA125, E2, P4)
(抗精子抗体)
基礎体温高温相7日目頃
卵巣年齢 AMH
その他特殊検査 ・下垂体負荷試験:LH-RH Test
・内分泌検査:LH・FSH・PRL・E2・P4・T
(生理中(2~4日目)、排卵期、高温期)
・子宮卵管検査
・通水、造影検査
・子宮内視鏡手術
 

不妊検査についてのより詳しい説明

血液検査1
【実施時期】
初診時
【検査項目】
貧血・肝機能・腎機能・血糖・クラミジア感染の血液検査。尿検査。
【検査の意義】
体のどこかに異常があるとそのために妊娠しにくくなることがあります。また高血圧や腎臓病などでは妊娠によりその病気が悪化することがあります。この検査はご自分では気づいていない体の異常がないかどうかを調べるものです。
肥満があると卵巣機能が悪くなり妊娠しにくくなります。また妊娠した場合、妊娠中毒症などの異常が起こりやすく、胎児の発育が障害されることがあります。当院では栄養指導を行っていますので、医師にご相談ください。
クラミジアは性感染症の中で最も頻度が高く、不妊の原因にもなります。感染しても症状が出ないことも多いため気がつかないことがあります。
血液検査2
【実施時期】
月経周期3日目頃
【検査項目】
性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、プロラクチン、黄体ホルモン(P4)、テストステロン)、抗ミューラー管ホルモン(AMH)
【検査の意義】
卵巣の機能は、脳の下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンによりコントロールされています。性腺刺激ホルモンの分泌に異常があると卵巣の機能が低下し排卵しにくくなったり、無排卵になったりします。また、性腺刺激ホルモンを測定することにより、卵巣の予備能が分かるとも言われています。
抗ミューラー管ホルモンは、卵巣の予備能をみる指標でここ1年~2年前より学会で言われはじめた新しい検査項目です。FSHが10以上、E2 25以下、テストステロン20以下のうち2つ以上満たす方は検査を受けた方が望ましいと思います。
卵管通水検査
【実施時期】
月経終了の2~3日後
【方法】
子宮の入口より細いチューブ(ヒスキャスカテーテル)を通して低分子デキストラン+抗生剤の混合液を注入し、卵管の通過性を調べます。
頚管粘液検査
【実施時期】
基礎体温上昇の2~3日前
【方法】
頚管(子宮の入口)の粘液を採取し、液量および性状により、排卵日を予測します。
【注意事項】
粘液量が少ないときは、排卵はまだ先と考えられますので、2~3日後に再検します。
頚管粘液だけでなく超音波検査による卵胞径計測も同時に行います。
超音波による卵胞径計測
【実施時期】
基礎体温上昇の2~3日前
【方法】
腟から超音波プローべを挿入し、卵巣内の卵胞径の大きさを測定します。卵胞径が約2cmになると排卵間近であると考えられます。
【注意事項】
卵胞径が小さいときは、排卵はまだ先と考えられますので、2~3日後に再検査します。
1月1回までは保険適応ですが、それ以上は自費になります。
血液検査3
【実施時期】
卵胞経最大の日
【検査項目】
卵胞ホルモン、甲状腺機能に関するホルモン
【検査の意義】
卵胞ホルモンは排卵直前の卵巣から多く分泌されます。卵胞ホルモンを測定することにより卵が良好であるかを検討します。
甲状腺機能に異常があると卵巣の機能が低下し、妊娠しにくくなったり流産しやすくなります。女性の5%位に症状の全く出ない軽度の甲状腺機能異常があるといわれています。
性交後試験(フーナーテスト)
【実施時期】
排卵期。頸管粘液検査などにより実施日を決定
【方法】
排卵期に性交をもった後に、頚管粘液や子宮液を採取して、そこに運動精子がいるかどうか調べます。
すなわち腟内に射精された精子が子宮腔内に到達できるかを見る検査です。
血液検査4
【実施時期】
高温相7日目頃
【検査項目】
卵胞ホルモンと黄体ホルモン、CA125、抗精子抗体(自費)
【検査の意義】
黄体ホルモンと卵胞ホルモンにより黄体機能を調べます。
CA125は子宮内膜症で高値となります。
抗体とは本来ヒトが体内に進入した異物(ウイルスなど)を破壊したりする作用をになうものですが、体内に進入した精子に対して作用する抗体を有することがあります。抗精子抗体があると、精子の子宮・卵管への進入や受精が障害されます。
子宮卵管造影
【実施時期】
月経終了の数日後になるように月経時に予約します。
【方法】
1日目は、子宮の入口より細いチューブを通して超音波の造影剤を注入し、経腟超音波下で、子宮内腔の形状や卵管の通過性を検査します。造影剤のアレルギー反応が起こりにくい造影剤を使用しています。
下垂体負荷試験・その他内分泌検査
【実施時期】
医師が指示します
【方法】
排卵がない、排卵があってもその時期が遅い、あるいは黄体機能が充分でないなどの場合に原因を調べるために行います。脳の下垂体というところを刺激する注射の前後に採血し、下垂体から分泌されるホルモンの反応をみます。
子宮内視鏡検査
【実施時期】
月経終了の直後。月経中に予約を取ります。
【方法】
子宮専用の内視鏡(太さ3~5mm)を子宮内に挿入し、子宮の内腔の状態を観察します。
子宮卵管検査
【実施時期】
月経終了の2~3日後
【方法】
1日目は、子宮の入口より細いチューブを通して超音波の造影剤を注入し、経腟超音波下で、子宮内腔の形状や卵管の通過性を検査します。造影剤のアレルギー反応が起こりにくい造影剤を使用しています。
子宮内膜検査
【実施時期】
基礎体温高温相の7日目頃
【方法】
子宮内膜(子宮腔にある組織で、受精卵が着床する部位)を少量採取し、顕微鏡により組織検査をします。着床の障害や子宮内膜に異常が疑われる場合に行います。

不妊治療

卵管形成手術

卵管の構造の特殊性から、治療するのが困難であったとされてきたものが、テルモ社の、研究開発により、カテーテル、内視鏡の開発で、おなかを開けずに経腟的に外科的侵襲をあたえないで手術が可能となり、卵管通貨障害に高い治療効果をあげています。

これを卵管鏡下卵管形成術(falloposcopic tuboplasy:FT)といいます。

卵管内病巣へのアプローチには、FTカテーテルを腟式に子宮内へ挿入し、卵管開口部まで達せられるため、卵管口から卵管采までの約10cmの間の手術が可能となりました。

卵管鏡手術の最大のポイントは、

  1. 卵管のほぼ全域にわたって、通過障害部を拡張し、再通過させられる。
  2. 保険適応の手術で、高額医療対象となり、患者様の年収に応じて支払い基金からの還付金がある。
  3. 卵管の中が観察でき、炎症が強いケースでは、抗生剤などの卵管内局所投与ができる。
  4. 日帰り手術のため、次の日から仕事を社会復帰できる。
  5. 術後妊娠するケースは、手術した1ヵ月後の排卵時期が最も多く、3ヵ月以内に妊娠する。
    (30%の確率)まれに、手術して、2年後に自然妊娠したケースあり。

卵管鏡手術の弱点は、

  1. 術後1ヵ月から3ヵ月以内に、最閉鎖がおこる。10%
  2. 卵管末端部、卵管周囲の癒着病変が考えられるとき、アプローチができない。
  3. 周囲臓器との癒着が激しいとき、卵管自体のねじれ屈曲が強いと再開通できないときがある。1%。この場合、腹腔鏡と併用すれば問題はない。
  4. 卵管を再開通させてもピックアップ障害には無効のため、体外受精、顕微受精になる。
卵管性不妊症の当院治療ストラテジー

卵管鏡で見た卵管の画像

  • (1)正常卵管口部

  • (2)卵管開口部閉鎖

  • (3)卵管腔

  • (4)卵管鏡が卵管内を通過している画像

男性不妊症

不妊検査

  • 一般精液検査
  • 精子機能検査
精液検査
【実施時期】
いつでもよいので体調が良いときに、なるべく早く受けてください。
【方法】
婦人科外来受付で容器を受け取ってください。
朝ご自宅で採取し、来院したら受付で「精液検査です」と言って提出してください。
夫が来院する必要はありませんが、最初の検査時に夫の婦人科初診の手続きをします。

DHEA負荷療法

DHEAの摂取によるメリット

20代を境に分泌量が減少していくDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)を補給するためのサプリメントです。

DHEAは、体内から分泌されるホルモンのひとつで、テストステロン、エストロゲンなどのホルモンをつくりだします。テストステロンは男性ホルモンで、精子形成促進、骨・筋肉増殖作用をもっています。

DHEAは、20代をピークに分泌量が減少しますので、効果的に摂取することで精子形成の促進を行います。

詳しい情報を知りたい場合

当院では、DHEAサプリメントを取り扱っております。
詳しい情報を知りたい場合は、お気軽にお問い合わせください。


図1

図1は、ステロイドホルモンの生合成経路をあらわしたもので、通常、体内ではコレステロールからプロゲステロン、エストラジオール、テストステロンなどの性周期に重要なホルモンが生合成されます。
DHEAはエストラジオールやテストステロンへ移行する際に合成される中間産物で、このDHEAをサプリメントとして補給することで、テストステロン、さらにはエストラジオールへの転換が期待できます。


図2

当研究では、血中FSH値及びT値をそれぞれ10mIU/mlおよび20ng/dlを境に分け、4群に分類しました。
すなわち、図2左上(青)に示したFSH 10(mIU/ml)以下、TES 20(ng/dl)以上をホルモン正常型とし、右下(赤)に示したFSH 10(mIU/ml) 以上、TES 20(ng/dl) 以下をPOF型と定義させていただきました。
グラフはこれらの4つの群において、DHEAを服用した場合、ホルモン値にどのような変化が現れるかを示したものです。
赤のバーがDHEA服用前、青のバーがDHEA服用後を示しています。
DHEAの効果は、特に右下のPOF型の症例において顕著であり、高値であったFSH値は劇的に低下し、TESの上昇に伴い、E2値も改善しております。これはDHEAを投与したことによって、FSHの下降を伴うTESの顕著な上昇によってE2の産生が賦活されたことによると考えられます。すなわち、DHE Aは卵巣機能賦活の手段の一つとして期待されます。

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